オペラ・声楽店

モーツァルト録音史の金字塔!!
この交響曲全集は、これからモーツァルトを語る時に無視出来ないものになるでしょう。 番号では41曲、その他を含めても50曲程度になるであろうと思われていたモーツァルトの交響曲を、ホグウッドの全集ではなんと68曲!‥当時の私は、この曲数をみて「どうすれば、こんな数になるの?」と思っていましたが、その選曲は多少強引なところもあったとはいえ十分納得がいくものでもありました。それ以上に演奏も素晴らしい完成度です!当時の楽器を再現して使用しているのは勿論ですが、楽器のピッチも調整していてかなりマニアック(?)な演奏になってます。さすがに、41番とか39番といった規模の大きい曲では現代の楽器に比べて迫力不足ですが、逆に比較的規模の小さな、25、29、33番は当時の楽器の持ち味が良く出ていて素晴らしい演奏です。 今年は作曲家の生誕250年なので、思い切って1年かけて交響曲を全曲聴いてみるのもイイかと思います。 輸入盤ではかなり安価に入手出来ると思うので、ホグウッドの名演なら1年間退屈することなく過ごせると思いますよ!(笑)
究極
クラシックと呼ばれるジャンルは、既に没して数十年から数百年経つ作曲家の作品をスコアを元に現代の進化した形の楽器、進化した奏法で演奏するのが常である。

一方Ｃ.ホグウッドはご存知の方も多いと思われるが、敢えてこれらの楽曲を当時の環境を極力忠実に再現し、演奏するスタイルととり続けている（実際モーツァルトが生きた時代に４０〜６０人規模のオーケストラを指揮棒持ったコンダクターが指揮したはずもない）。本全集では当時の環境を忠実に再現することにより、モーツァルトのシンフォニー（敢えて交響曲とは呼ばないのである）がよみがえったかのような錯覚すら覚える。
チューンを現代主流ののA=442Hzから当時使われていたであろうA=435Hzあたりにに落とすなど、その再現にあたり仔細に渡る所まで拘った本全集は間違いなく歴史的価値のあるものである。
機会があるなら是非是非聴いてほしい。