オペラ・声楽店

超絶技巧が聞きもの
後期のモーツアルトからは考えられない技巧的なアリアの数々に圧倒されます。 特に、デッセイとアサワが素晴らしい。第１幕の音の洪水は、我を忘れるほどの感動です。 しかし、曲自体の魅力がやはり後期のオペラには及ばないので、演奏自体は素晴らしいと思いますが、星４つです。
素晴らしいと思います。
最初に思ったのは、バルトリってすごいな、でした。
このＣＤでバルトリが歌っているシーファレ役は、別な盤ではグルベローヴァが歌っている役です。そう書くだけで、ある程度わかっていただけるんじゃないかと思いますが、とんでもない音域です。
それを、バルトリは見事に歌いこなしています。私はグルベローヴァファンですが、それでも、バルトリのシーファレとは比較する価値すらないと思います。バルトリのシーファレは、男らしいのです。

にもかかわらず、バルトリの歌唱に、違和感があります。
他のソリストと、声の質があわなすぎるのです。バルトリだけ、別録音でとったのではないかというくらい、声のトーンが違います。それが、違和感になります。

そうはいっても、やはり二幕フィナーレのデセイとの二重唱は素晴らしい。

他のソリストについても、ちょっと、サバティーニのミトリダーテが若すぎていかがなものかと思いますが、それを除けば粒ぞろいで、とくに、ブライアン・アサワの声が素晴らしい。

なんで、バルトリだけ、印象が違っちゃうのか・・・惜しいところです。

知的なマーラー演奏
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聴いたらびっくりするベートーヴェン
ベートーヴェンのシンフォニーにつき物の「重い」「おおげさ」などのイメージを全部吹き飛ばすような演奏。っていうか、これが古典派交響曲の本来の姿なのかもしれない。１９世紀はじめの楽器を用い、これまでのピリオド楽器でのベートーヴェンと違って無理がない。特に当時の最新兵器であった初期のバブル・ホルンを使ったホルンの響きは美しく、「古楽器のホルンは音が滑ったり間抜けなサウンドで嫌い」という人も安心して聞けると思う。
この全集が出てからいままで、古楽器による新しい全集はリリースされていない。このガーディナーの全集が決定盤だからであろうか。
もはやこれがスタンダードな全集
　発売時、大変話題になり高く評価された全集で、その価値は未だに色あせない。軽快なリズムに強いアクセントがつき、快速なテンポで突っ走る。これがベートーヴェンかと最初は驚いたが、解説によると、ガーディナーはベートーヴェンの目指した音楽を再現しようとしているようだ。

　スタイルは斬新だったが、軽薄さや思いつきのアイデアは無く、誠実な演奏でもある。もはやスタンダードと言えるだろう。
　お薦めは奇数番号すべてと、第八番だろうか。ドライブ感を表現しやすい作品の方が向いている。
　録音も優れているので、お薦め。ただし後に分売もされているし、全集も価格を下げて発売してほしいところ。